現在のページ

HOME > カリキュラム > スキルスタンダード

スキルスタンダード

スキルスタンダードとは

スキルスタンダードとは、各スキルにおいて獲得する技術や知識の到達度を5段階で区分したものである。バイオ関連分野における、このスキルスタンダードの基本的枠組みは、平成14年度の経済産業省バイオ人材育成システム開発事業以降において検討がなされてきた。このスキルスタンダードを活用することにより、講師側は到達度目標に合わせた講義内容の決定が可能となり、一方、受講者側は現状を自分で把握した上で必要な講義を受講したり、到達度の目標設定をしたりすることが可能となる。

スキルスタンダードの構成は以下の通りである。

スキル項目: ○○
スキルスタンダードの構成
 スキル熟達度知識項目
レベル5・・・・・・
レベル4・・・・・・
レベル3~について理解している。
~することができる。
求められる知識、技術
キーワードなど関連した項目
レベル2・・・・・・
レベル1・・・・・・

スキル熟達度とは、知識・経験の度合いに応じて5段階の基準を定義したもので、スキルの習熟の度合いを示すものである。「~することができる」、「~を理解している」等というように、段階毎に基準を設定している。最も高い熟達度をレベル5とし、以下、レベル4、レベル3、レベル2、最も基礎であるレベル1と続く。熟達度の目安は次のとおりである。

  • レベル5: 自主的な研究や業務遂行に加え、教育・指導・マネジメントができる
  • レベル4: 独力で研究や業務を遂行することができる
  • レベル3: 指導を受けながら、研究や業務を遂行することができる
  • レベル2: 作業面で、研究や業務の支援ができる
  • レベル1: 基本的な用語や概念が理解できる

知識項目とは、当該スキルにおいて習得するべき知識やそのキーワードを示したものである。全てのスキル項目について、各々スキル熟達度と合わせて、知識項目を設定している。知識については、同じ知識対象であっても、例えば、下位レベルにおいては単に用語と概要を知っているという程度から、上位レベルにおいては教育・指導ができる程度に深い理解を持っているというように、スキル熟達度によって、理解度は大きく異なるものである。本スキルスタンダードにおいては、当該スキルに必要な知識の項目のみ示している。



医療工学技術者の人材像との対応

前述のように医療工学技術者の人材像とレベル設定として、初級、中級、上級の3段階の人材像を設定し、それぞれの段階で求められる能力が示されている。この人材像とスキルスタンダードのスキル熟達度の対応は、下記の表のとおりである。

スキル習熟度と人材像との対応
スキル熟達度目 安人材像との対応
レベル5自主的な研究や業務遂行に加え、教育・指導・マネジメントができる上級
レベル4独力で研究や業務を遂行することができる中級
レベル3指導を受けながら、研究や業務を遂行することができる初級
レベル2作業面で、研究や業務の支援ができる-
レベル1基本的な用語や概念が理解できる-

医療工学技術者は、初級といってもそれぞれの専門性を有している人材であり、レベル3以上をスキルスタンダード設定の対象としている。本事業で教育対象とするレベルは、中級から上級である。先行するREDEEMプロジェクトでは、初級レベルを対象とした集中的なカリキュラムが実施されている。

本事業では、前述のスキル項目についてスキルスタンダードを策定した。
次より、設定したスキルスタンダードを示す。

スキル項目: A) 基礎生物学
 スキル熟達度知識項目
上級
レベル5
  • 専門的なバイオロジーの基礎となる生物学から分子・細胞レベルにわたる総合的な知識を有し、指導的立場で研究開発に活用し推進することができる。
  • 分子生物学、細胞生物学の実験手技を指導することができる。
  • 高次生命現象の分子基盤
  • 高度な分子生物学的・遺伝子工学的手法を用いた研究計画の立案
  • 高度な細胞生物学的・細胞工学的手法を用いた研究計画の立案
中級
レベル4
  • 業務上必要となる、生物学や分子細胞生物学の知識を有し、適切かつ円滑に業務を遂行することができる。
  • 分子生物学、細胞生物学の実験手技を習得し、独力で遂行することができる。
  • 基本的な生命現象の分子基盤
  • 分子生物学的・遺伝子工学的手法を用いた実験手技
  • 細胞生物学的・細胞工学的手法を用いた実験手技
初級
レベル3
  • 生物学基礎について説明できる。
  • 生体を構成する分子や細胞の基本的性質や構造について説明できる。
  • 指導を受けながら、DNAの調整、増幅、切断、電気泳動による分離などを行うことができる。
  • 指導を受けながら、細胞培養、細胞への遺伝子導入、顕微鏡観察などを行うことができる。
  • 専門的なバイオロジーの基礎段階としての高校レベルの生物学
  • 生体を構成する分子の種類と基本的な性質
  • 細胞の基本構造と細胞内小器官
  • 生物実験の基礎的手技

スキル項目: B) 基礎医学
 スキル熟達度知識項目
上級
レベル5
  • 解剖学、生理学、生化学、微生物学、ウィルス学、薬理学、病理学についての総合的な知識を有し、指導的立場で研究開発に活用し推進することができる。
  • 生体機能評価手法や解剖の実験手技、手術器具の取り扱い方法などの基礎的手技を指導することができる。
  • 解剖学
  • 生理学
  • 生化学
  • 微生物学
  • ウィルス学
  • 薬理学
  • 病理学
中級
レベル4
  • 業務上必要となる、解剖学、生理学、生化学、微生物学、ウィルス学、薬理学、病理学についての知識を有し、適切かつ円滑に業務を遂行することができる。
  • 生体機能評価手法や解剖の実験手技、手術器具の取り扱い方法などの基礎的手技を習得し、独力で遂行することができる。
  • 解剖学
  • 生理学
  • 生化学
  • 微生物学
  • ウィルス学
  • 薬理学
  • 病理学
初級
レベル3
  • 人体に関する基本的な構造や機能について説明できる。
  • 基本的な病態や薬理について説明できる。
  • 指導を受けながら、生体機能評価や解剖などの実験・実習を行うことができる。
  • 人体の構造と機能に関する概念的理解
  • 病態や薬理に関する概念的理解
  • 生体の機能評価の基礎的実験手技
  • 解剖の基礎的手技
  • 手術器具の取り扱い方法の基礎的手技

スキル項目: C) 臨床医学
 スキル熟達度知識項目
上級
レベル5
  • 医療に関する実際について、診断から治療にわたる総合的な知識を有し、指導的立場で研究開発に活用し推進することができる。
  • 診断や外科治療の基礎的手技を指導することができる。
  • 疾患の特徴・診断・治療
  • 人類遺伝学、臨床薬理学、栄養学
  • 外科的疾患の特徴・診断・治療
  • 画像所見
中級
レベル4
  • 業務上必要となる、医療に関する実際について、診断から治療にわたる知識を有し、適切かつ円滑に業務を遂行することができる。
  • 診断や外科治療の基礎的手技を習得し、独力で遂行することができる。
  • 主要な症候
  • 診察
  • 検査
  • 医療記録
  • 基本的な手術手技
  • 症候、病態
  • 人工臓器、臓器移植
  • 医学教育における外科
  • 画像化技術の原理
初級
レベル3
  • 臨床内科医学の基本的な考え方、診断の基本的方法などについて理解し、説明することができる。
  • 外科学の基本的な考え方について理解し、説明することができる。
  • 画像診断・放射線治療の基本について、説明することができる。
  • 臨床医学総論
  • 診断の基本
  • 外科学総論
  • 外科治療の基本
  • 画像診断・放射線治療の基本

スキル項目: D) 社会医学
 スキル熟達度知識項目
上級
レベル5
  • 公衆衛生・法制・倫理・システム・リスクなどの医療をとりまく様々な環境についての総合的な知識を有し、指導的立場で適切な判断を下すことができる。
  • 医師および医療従事者の法的義務
  • インフォームド・コンセント
  • 医療機関における安全管理の在り方
  • 医学研究の倫理性
  • 医療機器の承認プロセス
  • 医薬品の承認プロセス
中級
レベル4
  • 業務上必要となる、公衆衛生・法制・倫理・システム・リスクなどの医療をとりまく様々な環境についての知識を有し、適切かつ円滑に業務を遂行することができる。
  • 医師および医療従事者の義務と裁量権
  • 医療における安全管理とリスク管理
  • 医療技術の進歩に関わる倫理的問題
初級
レベル3
  • 公衆衛生・法制・倫理・システム・リスクなどの医療をとりまく様々な環境についての基本的な知識を有する。
  • 患者の権利
  • 公衆衛生の基礎
  • 医療法制の基礎
  • 生命倫理の根幹
  • 医療システムの基礎
  • 医療の安全性への配慮

スキル項目: E) 医工学
 スキル熟達度知識項目
上級
レベル5
  • 医学と機械、電気、材料、化学、情報などの工学技術の応用分野についての総合的な知識を有し、指導的立場で研究開発に活用し推進することができる。
  • 細胞機能と生体分子操作
  • ナノメディスン
  • 生体内分子・構造イメージング
  • メディカルインフォマテクス
中級
レベル4
  • 業務上必要となる、医学と機械、電気、材料、化学、情報などの工学技術の応用分野についての知識を有し、適切かつ円滑に業務を遂行することができる。
  • 生体力学
  • 生体材料学
  • シミュレーション
  • 分子細胞工学
  • 組織工学
  • エレクトロニクス
初級
レベル3
  • 業務上必要となる、医学と機械、電気、材料、化学、情報などの工学技術の応用分野についての基本的な知識を有する。
  • 力学
  • 熱力学
  • 電磁気学
  • 量子力学
  • 流体力学
  • 固体・材料力学
  • 電気電子工学
  • 情報工学
  • 物理化学

スキル項目: F) 産業応用
 スキル熟達度知識項目
上級
レベル5
  • 医療工学技術の産業応用を、指導的立場で推進することができる。
  • プロジェクトリーダーとして、プロデュース能力を有し、ヒト・カネ・モノの全般にわたり、適切に活用することができる。
  • 中級・初級人材を適切に指導することができる。
  • 臨床応用について、医療関係者と対等に議論できる。
  • 研究開発戦略
  • 商品戦略
  • マーケティング・営業戦略
  • 資本・財務戦略
  • 人事戦略
中級
レベル4
  • 医療工学技術の産業応用を、専門的立場で担当業務を遂行することができる。
  • プロジェクトリーダーを補佐し、初級人材を適切に指導することができる。
  • 臨床応用の担当部分について、医療関係者と対等に議論できる。
  • ビジネスプラン作成
  • 財務諸表
  • 事業化
  • プロジェクトマネジメント
初級
レベル3
  • 医療工学技術の産業応用を、指導を受けて担当業務を遂行することができる。
  • 臨床応用のために必要なプロセスを理解している。
  • 技術調査
  • ニーズ調査
  • 研究開発